■『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』
■Nintendo Switch
■スクウェア・エニックス
■2018年3月1日発売
■4,800円+税
きっかけはマインクラフト動画
素材を集め、アイテムや施設を造りあげていく「サンドボックス」系ゲームに興味が湧いたのが、任天堂の公式チャンネルで公開されていた「よゐこのマイクラでサバイバル生活」を見たのがきっかけでした。
素材をひたすら集め、好きなように拠点(家など)を造り、それに飽きてきたら探検し、シナリオ(らしきもの)を進める。
その内容は観ていてメチャクチャ楽しそうで「自分もちょっとこういったゲームやってみたいな」と思わせてくれたのですが、どーも触手が伸びない……。
あのよゐこの2人だからこそあそこまでやり込んで楽しくプレイできるものであり、自分にそこまでの時間と熱量はあるか?
そしてマインクラフトの自由度の高さ故の“取っつきにくさ”というのがあったのです。
そんな時にニンテンドースイッチ版の『ドラゴンクエストビルダーズ』が発売されると知り、これならサンドボックスゲームの入門的な感じとして遊べるかも! と購入したわけであります。
初心者にも安心のジャパニーズゲーム
ゲームは基本的に「シナリオモード」と「フリービルドモード」の2つから構成されています。
「フリービルドモード」は名前の通り、自由に創り上げていくモード。
「シナリオモード」は、ドラクエ1の主人公が竜王の「味方になるのなら世界の半分をお前にやろう」という誘いに対し「はい」と答えてしまった、という世界。
そのために荒廃してしまったアレフガルドを、主人公が復活させていくというストーリーになっています。
きちんとやるべきことを住人(仲間)が色々言ってくれるので、いきなりポンと広い世界に放り出されて「さあご自由にどうぞ」といったことはありません。
基本的には拠点(廃墟と化した街)に、「こういう施設を造ってくれ」とか「このアイテムを造ってくれ」といった依頼に応えていくことでハナシは進みます。
目的地や、必要な素材の数などのレシピもしっかりと表示されますし、ちょっと足を伸ばして探索範囲を広げると、新しい素材も割とたやすく入手出来たりして、それほど迷ったりすることはないでしょう。
また、少しずつ使えるアイテムが増えていき、街のレイアウトをちょっと変えてみたり、装飾品を置いてみたりとシナリオそっちのけで夢中になってしまうこともしばしばありました。
章が進むとアイテム・ステータスがリセットされる!
驚いたのが、この「章が進むとアイテム・ステータスがリセットされる」というシステムでした。
ストーリーモードは1章の「メルキド編」から終章の「ラダトーム編」の全4章から成るのですが、1章をクリアして2章の「リムルダール編」に進むと、今まで手にしたアイテム、覚えたレシピ、そして「命の木の実」で上げた最大HPもリセットされ、初期値に戻るのです。
それは2→3章、3章→終章も同じ。
最初は戸惑いました。
でも進めていくと、このシステムに「なるほど」と思えるようになりました。
章をまたいでのアイテムやステータスを持ち越しにしたところで、インフレを起こすだけなんです。
新しい章に来ました→
HPもアップしてるし装備やアクセサリーも、そこそこイイのが揃ってるよ!
アイテムも割と作ることが出来るよゲヘゲヘ!
となれば、単に敵を強くする、素材アイテムの入手を無駄に難しくするみたいなことになって、ストレスが溜まるものになっていたかもしれません。
それに前の章で覚えたレシピなどは、ストーリーのなかでさりげなく自然に出てきますので「ああ、またイチから覚え直しかぁ」なんて思うこともないです。
また、各章ごとにストーリーにきっちり特色が設定されいる(2章なら薬、3章なら機械)ので飽きがこないし、食糧不足、素材不足などの仕掛けられたハードルもチラリと感じることがあるのですが、プレイヤーもまた成長していて、その難局を切り抜けるスキルを自然と身につけていたんだと感じさせてくれるのも、この仕様が生み出す絶妙なゲームバランスであり、よく考えられていますよね。
良い作品だからこそ言いたい要望点と、次回作への大いなる期待
とまあ稀に見るいい作品だったワケですが、気になる点も。
まずはカメラワーク。
フィールドにある小さなほこらや建物に入ると、キャラだけ中に入ってカメラは外に残ったままなんです。
外側からキャラのシルエット線だけ表示はしてくれるのですが、もし中に敵がいたなら攻撃されまくりやし、うろうろして穴に落ちて落下ダメージを受けたりなんてこともありなんです。
まあ手動でカメラを寄りにすればいいだけのことなんですけど、自動で、ってなってくれたら親切ですよね。
また攻撃範囲の狭さと接触ダメージも少し気になるところだったり。
武器で攻撃したとき、意外に攻撃範囲が狭くて当たらないから敵に近づいたら接触して被ダメージなんてことが良くありました。
範囲が狭いとか被ダメのシステム云々より、敵の当たり判定がちょっとアバウトな感じが引っかかるかな。
このあたりは最後発のスイッチ版でも改善はされていないようで、ちと残念……。
あとは微妙なスティック操作が少し野暮ったかったりするんですが、それ以外は本当に良く出来たタイトルでした。
願わくば、このドラクエビルダーズの世界を、マインクラフトのように他の人と創り上げていくことが出来ればどんなに素晴らしいことか……!
なーんて、ビルダーズプレイヤーなら誰しも考える壮大な夢を抱きつつ、今年中には発売されるであろう『ドラゴンクエストビルダーズ2』を楽しみに待つのでありました。
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